息をのむ自然美

「日本で最も美しい村」に認定されている松崎。
海底火山により形成された不思議な地形と、失われつつある日本の原風景。
この町には、未来に残したい美しい景観とそれを支える人々がいます。

美しい石部の棚田

かつて石部地区には海から山に向かって18ヘクタールもの棚田が広がり、人々は稲作と漁業で暮らしていました。しかし昭和47年に国道が開通すると、地域の観光化や高齢化によって耕作放棄地が増え、平成に入るとそのほとんどが荒地となってしまいました。

その後平成11年に「静岡県棚田等十選」に指定されたことをきっかけに棚田の再生・保全運動が行われるようになり、現在では総面積4.2ヘクタール、約370枚の棚田が復田され、毎年おいしい棚田米が収穫されています。駿河湾を眼下に、富士山・南アルプスを眺望できる美しい石部の棚田は、季節ごとに変化し、美しい表情を見せてくれます。

世界でいちばん富士山がきれいに見える町宣言

雲見海岸は、海蝕崖や豪壮な荒磯の続く日本有数の景勝地で、晴れた日には正面に富士山を望む美しい海岸線を有することから、絶好のカメラポイントとしても知られています。

沖に見える大小2つの島はその昔大洪水で流された牛が流れ着いたことから「牛着岩」と呼ばれ、今でもしめ縄を張って港と船の安全を祈願しています。

ジオスポットの数々

伊豆半島は海底火山により形成された不思議な地形をしており、美しい縞模様の地層や荒々しい岩肌がおりなす海岸線は国立公園や国の名勝として指定されています。また半島自体が日本ジオパークに認定されており、松崎町にも「千貫門」「室岩洞」「烏帽子山」「石部の棚田」「弁天島」などのジオスポットがあります。(下の写真は烏帽子山からの展望です。)

千貫門は、烏帽子山のそびえる浅間崎の南海上にひときわ高くそそり立つ巨岩。周辺の奇勝とともに「見る価値が千貫文にも値する」という意味からこの名前がつけられました。

また、室岩洞は江戸城の石垣にも用いられたという石切場跡で、見学できるように整備されています。内部を巡る遊歩道は約180メートルあり、裏側の展望台に抜けると海の眺望があり、晴れた日には富士山の姿もご覧いただけます。

伊豆半島ジオパークについて、詳しい解説や展示を行うビジターセンターが伊豆半島の各所にあります。松崎町では街中の中瀬邸内に開設されていますので、まちなか散策の合間にお立ち寄りください。

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